建物の床面積を算出する際には、二通りの考え方があります。
一つは、壁の厚みを含まず壁の内側の線を基準にして算出する「内法面積(うちのり)」
もう一つは、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を求めた「壁心面積(かべしん)」
「内法」は、主に不動産業界で使われています。
お客様が家具などを配置するために必要なのは実際の居住スペースの寸法だからです。
住む人の立場に立った考え方ですね。
その一方で、「壁心」は設計業界で使われます。
設計士は居住スペースの強度を第一に考えるからです。
ただ、柱や壁が多いほど強度は増す代わりに住みやすさが損なわれるので、
設計者はなるべく柱や壁を減らすように試行錯誤します。
その際に緻密な構造計算を行うため、「壁心」を基準にして他設計とズレがないようにしています。
このようにそれぞれの立場で合理的に算出された面積ですが、
新築マンションの購入の際は、注意が必要になります。
それは、マンションのパンフレットや広告などは、
ほぼ「壁心面積」で表示されているということです。
マンションの構造形式や壁自体の構造によって壁の厚みは変わりますが、
一般的に130mm〜300mm程度の厚みがあります。
ですので、参考値で言うと「内法」の方が5〜10%ほど狭くなります。
マンションを売る側からすれば少しでも広く表示したいので、
これは避けられない結果なのかなとも思えますが。。
だからこそ、
新築マンション購入時には「内法」が大事なのです。
きちんと、営業担当者に「内法面積」を確認しましょう。
もし、税制の優遇措置を受けることを検討されているなら、
床面積(内法面積)が50平方メートル以上あることが必須条件です。
万が一、50平方メートル前後の物件だった場合、「内法」が僅かに下回る可能性があります。
そうなると税制の優遇措置は受けられなくなります。
要注意ですよ!